戦後80年の節目を迎え、新聞やテレビで特集が企画されている。菰野町図書館(菰野町潤田)では、菰野町の戦争遺跡をテーマにした展示と、1階ギャラリーでも原爆を中心とした平和祈念のパネル展示行われている。平和について考える貴重な体験ができる。

【町民から寄贈された水筒や奉公袋】
菰野町図書館では毎年町民から寄贈された戦争に関する品や戦争遺跡に関する展示を行ってきた。今年はそれに加え、戦争被害者の中でも最も弱者である子どもに焦点を当て、学童疎開に関する展示に力を入れた
湯の山に疎開した名古屋の子どもたち
1944(昭和19)年8月、名古屋市の笹島国民学校などが当時三重郡だった桜村、川島村、県村(現・四日市市)などの国民学校や、当時鵜川原村(現・菰野町)の国民学校に集団疎開した。その記録や写真、体験者の証言を収めたパネルが展示されている。
高辻国民学校の児童380人が湯の山温泉の旅館に疎開するも、寒さから体調を崩し寺に移り、食糧も不足し辛い思いをしたことが伺える。学芸員の西山祐実さんは「戦争体験を語れる人が減っていく中、この展示を見て戦争について知ってもらえたら」と語った。展示の説明を希望する人は、郷土資料コーナーで声をかければ担当者から説明が受けられる。郷土資料コーナーの展示は9月21日(日)まで。


【1階ギャラリーの平和祈念展示】
原爆の資料も
1階エントランス横のギャラリーでは、8月17日(日)まで「戦後80年 平和祈念展示」が開催されている。原爆被害に関する写真や、戦争をテーマにした書籍が並び、来館者が平和について考えるきっかけとなっている。

【矢田さんの戦争について調べた自由研究作品】
戦争をテーマにした自由研究作品も展示
また郷土資料コーナーでは、YOUよっかいちの紙面で掲載した、菰野町立菰野中学校2年・矢田奏介さんによる自由研究作品「平和への第一歩は知ることから ~四日市・菰野にもあった戦争を調べて」が展示されており、地域の戦争史を学ぶ若い世代の姿も見られる。矢田さんの記事はYOUよっかいちウェブサイト(https://www.you-yokkaichi.com/2025/07/31/39909/)でも紹介している。