四日市西ロータリークラブが創立55周年を迎えた。節目の年に打ち出したのは、近鉄四日市駅前7か所へのデザインマンホールの設置と、乳児院・児童養護施設への備品の寄贈だ。再開発が進む駅前と、地域の子どもたちの生活の現場に目を向けた取り組みを進めている。
再開発の現場で生まれた思い
2025~26年度会長の佐野貴信さんは、四日市観光協会副会長として中心市街地再開発にも関わる。国直轄事業で進む三重県最大規模のバスターミナル「バスタ四日市」整備の現場に身を置く中、「ここに形が残るものを贈れないか」という思いが芽生えた。
当初はモニュメント案を検討したが、駅前エリアの多くが、モニュメントの寄贈を受け付けない国の管轄であることから断念。代わって浮上したのが、デザインマンホール案だった。
55周年記念実行委員会で検討し、四日市を象徴するコンビナートを背景に、市のマスコット「こにゅうどうくん」を中心に据え、外枠を虹色7色で彩ったデザインに決定した。
設置場所は、市上下水道局と相談の上、田中大補実行委員長が制作会社とともに駅周辺を歩き、交換可能なマンホールを一つひとつ確認して選定。費用や再開発工事との調整を経て、中央通りアーケード街5か所、あすなろう鉄道四日市駅前広場2か所に設置が決まった。2月10日には、四日市市への寄贈式も行われた。

22年続く子どもたちとの関わり
もう1つの柱が、2004年から交流が続く「乳児院・児童養護施設エスペランス四日市」への支援だ。2月4日、同施設に自転車置き場、ソファー、ベビーカー、収納倉庫などを寄贈した。いずれも施設側の要望を受けた実用品で、佐野会長は「22年間で築いた信頼関係を大切に、今後も形式的ではない支援ができれば」と語った。
同クラブは毎年、「1日里親」活動として、日永うちわの製作体験やクリーンセンター見学などの催しのほか、川遊びやバーベキューといった自然に親しむ体験の場づくりを行ってきた。夏の催しには40~50人の会員が参加し、短パンにTシャツ、ビーチサンダル姿で子どもたちと向き合う。

川遊びの時、小さな子が手をぎゅっと握ってきたこともある。顔を覚え、「おじちゃーん」と声を掛けてくれた子もいた。恒例のスイカ割りでは、普段は前に出ない子が「やりたい」と自分から手を挙げ、施設の職員を驚かせたという。昨年は射的や水風船を用意し、夏祭りのような時間をつくった。

佐野会長は、「子どもたちの境遇を肌で感じ、私たち自身も学ぶ時間になっている。とにかく楽しんでもらえるよう取り組んでいる」と話す。コロナ禍で交流が止まった期間は、「忸怩たる思いだった」と振り返る。
行動での奉仕、地域へと向かう視線
全国のロータリークラブは「行動での奉仕」を掲げているが、活動内容には変化も見られるという。これまでは、東南アジアの子どもたちを支援するなど国際奉仕が活発だったが、近年では日本の子どもや地域の子どもに目を向ける動きが強まっている。子ども食堂や、子どもの居場所を運営する団体への支援も視野に入れている。
四日市西ロータリークラブの会員は、ここ10年で約20人増え、現在74人。会長を始めとする役職の任期は1年間だが、活動は引き継がれる。
再開発が進む街の足元と、子どもたちの生活の現場へ。節目の年に動いた2つの事業は、今後のクラブの方向性を示している。









