菰野でシデコブシ見頃 天然記念物の群生地 観察会にぎわう

湿地に枝を伸ばすシデコブシと見学する人
【湿地に枝を伸ばすシデコブシと見学する人】

 春の訪れを告げる希少な植物「シデコブシ」の観察会が3月28日、三重県菰野町田光にある国の天然記念物「田光のシデコブシ及び湿地植物群落」で開かれ、多くの人でにぎわった。花はまだつぼみも多く、見頃は来週いっぱい続くという。

薄紅色のシデコブシの花

湿地に咲く希少な花 東海3県のみ自生

 シデコブシは、早春に咲く星形の白い花が特徴の日本固有のモクレンの仲間。湿った谷底や小規模な水路沿いを好み、川が運んだ砂や小石が堆積した砂礫層に生育する。こうした環境が残る東海地方の丘陵地に分布し、愛知、岐阜、三重の3県のみに自生する。

地面に接するほど低い位置に枝を広げるシデコブシの木

 同群落では、薄紅色の花を咲かせる木など約130本が確認されている。元は湧き水が流れる湿地の田んぼだったが、約60年前に耕作放棄地となり、その後、自然環境が保たれてきた。この群落は学術的価値が高く、1996年に町の天然記念物に指定され、のちに国の天然記念物となった。現在は地元住民が草刈りや倒木の確認などの保全活動を続けている。

ウグイスの声響く

 この日は約70人が参加し、パトロールを行う渡部壮一郎さんの解説に耳を傾けた。ウグイスのさえずりが響く中、訪れた人たちはスマートフォンやカメラで花を撮影し、春のひとときを楽しんでいた。

シデコブシの写真を撮る人

 同町在住の70代女性は「地元で生まれ育ったが、ここにシデコブシが咲くのを知ったのは数年前。花がきれいなだけでなく、樹形も珍しく、間近で見られてよかった」と話した。

あざやなピンクのシデコブシのアップ

長靴推奨 ロープ内立ち入り禁止

 群生地の場所はグーグルマップで確認できる。開花期のみ公開区域が設けられており、ロープを越えての立ち入りは禁止されている。数年前まで設置されていた観察デッキは撤去されており、足元が悪いため町は長靴など防水性のある靴での来場を呼びかけている。

田光のシデコブシ及び湿地植物群落の看板とシデコブシとベンチ

こんな投稿もあります。