江戸時代から和紙の店舗「和紙舗(わがみほ)」を構える株式会社榛原のコレクションを紹介する「HAIBARA 和紙がおりなす日本の美~歴代榛原直次郎が絵師たちとつくりあげた世界 是真・暁斎・夢二・巴水」が4月4日、三重県菰野町のパラミタミュージアムで始まった。
浮世絵に代表される日本の木版画の美しさだが、今回はそれにとどまらず、千代紙、絵短冊、団扇、ぽち袋などの実用品の世界まで、そのきめ細やかさが行き渡っていたことを伝える展示になっている。5月31日まで。
江戸時代からの老舗、数々の絵師と交流
榛原は1806(文化3)年から東京の日本橋で店を構え、数々の絵師とのつきあいから洗練されたデザインを発表してきた。今回、創業220年を記念する催事として企画され、未発表の作品を含む254点、組み物や揃い物も数えれば300点を超す展示となっている。各地を巡回する企画だが、そのスタートがここパラミタミュージアムでの展示という。
明治の前半に活躍した三代目榛原直次郎(1846~1910)は、のちの日本美術院となる日本青年絵画協会の設立を援助したとされ、美術界と深いつながりを築き、そこから、今展示でも紹介されている柴田是真(1807~1891)、河鍋暁斎(1831~1889)、川端玉章(1842~1913)ら当代一流の絵師との交流から意匠や作品をつくりあげたという。
四代目直次郎(1880~1963)も、竹下夢二(1884~1934)や川瀬巴水(1883~1957)らと交流し、現代につづくデザインの基礎を築いたという。今回の展示では、これら作家の作品を紹介した一方、明治から昭和初期につくられた千代紙など、当時の生活や社交の一端をうかがうことができる作品を多数紹介している。



未発表作品や新しい和紙工芸も展示
木版画家川瀬巴水の肉筆画「土佐室戸岬」「福岡西公園」を初公開したほか、越前和紙の工房と組んだ大型の和紙工芸品をあらたに制作して展示した。和紙の原料ミツマタ(三椏)を使い、その濃淡でグラデーションを表現したといい、白だけで河鍋暁斎のデザイン「重陽」を再現した。


期間中、4月12日午後2時から「榛原の聚玉コレクションとその魅力」と題して記念講演会がある。講師は三鷹市美術ギャラリー学芸主査富田智子さん。入館者はだれでも聴講可能(無料)。
5月16日午前10時~午後2時にはワークショップ「榛原の千代紙でぽち袋をつくろう」があり、入館者はだれでも随時受付で参加できる(無料)。
5月5日午前10時~午後3時には、恒例のこどもの日特別企画「第22回パラミタミュージアムこども写生大会」があり、小学生以下のこどもが無料で参加できる(小雨決行、同伴の保護者1名は入館料が無料)。
5月10日午後2時~3時には、パラミタコンサート「からくり人形が『能』を舞う」がある。
パラミタミュージアムの入館料は一般1000円(4枚セット券3000円)、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。所在地は三重県菰野町大羽根園松ケ枝町。








