三重県の四日市市、桑名市、菰野町の3消防本部が共同で運用している三重北消防指令センターが、新しいシステムを導入し、4月から業務を開始した。センターから地図など現場に必要な情報を送れるほか、逆に現場から映像をセンターに送ってもらい、リアルタイムで現場の状況を把握することも可能になった。消防や救急の活動に力を与えてくれそうだ。4月9日、報道関係者に公開された。
手書き情報や地図情報すぐさま送信(3消防本部共通)
これまで担当者は3画面で情報を確認していたが、新システムでは4画面フルタッチパネルディスプレイが導入された。手元で同時に把握できる情報量が増えるほか、手書きメモ機能を使って通報者から聞き取った内容をディスプレイに直接書き出し、そのまま出動車両に送信することもできる。
災害地点の位置情報などを不審な侵入を遮断できる特別な通信で送ることができるようになったといい、グーグルマップと連携する機能を導入した。これにより、航空写真やストリートビューなどの視覚的な情報を現場にいる部隊に提供し、支援することができるという。


現場のタブレットやIP無線機などで相互通信(四日市市消防本部)
指揮支援タブレットを導入し、災害現場を支援できるよう、指令センターとの間でメッセージ、写真、動画をやりとりできるようにした。また、各消防隊に1台ずつのIP無線機とウェアラブルカメラを導入した。活動する隊員の位置情報を確認できるほか、災害現場からの映像送信により、リアルタイムで指揮隊、指令センター、消防本部作戦室で状況を把握できるようになる。

消防団へのタブレット端末導入もした。これまで紙情報(ファクス)で受けていた災害発生地点などをタブレット端末で確認できるほか、現場までの経路や現場付近の消防水利情報などを取得することができるという。
病気やけがの状態を到着前から病院へ送信(桑名市消防本部)
救急隊のタブレット端末から、病院に向かう間にも搬送する人の容態などの情報を送信し、医師らの治療体制に役立てようとのシステム。タブレットに書き込むことで、次々に情報を追加していくことが可能だ。現在、桑名市総合医療センター、青木記念病院、もりえい病院、ヨナハ丘の上病院、いなべ総合病院との間で通信が可能という。
大規模災害などにも電子黒板が威力発揮(3消防本部)
消防指令センターと3消防本部に、カメラとマイク、文書を読み取るスキャナーを取り付けた電子黒板を配置した。これにより、それぞれの消防本部の情報をほかの消防本部と共有できる。管轄を越えた応援出動や、大規模な災害があった場合に、電子黒板を通じて情報を共有し、同じ画面を見ながら意思疎通を図ることが可能になる。
三重北消防指令センターは、2016年から桑名市、四日市市、菰野町の3消防本部で消防指令システムの共同運用をしてきた。しかし、システムの老朽化もあり、約20億円をかけてシステム機器類の全面更新をした。
センターで管轄するのは四日市市消防本部(四日市市、朝日町、川越町)、桑名市消防本部(桑名市、いなべ市、木曽岬町、東員町)、菰野町消防本部(菰野町)の管内で、面積にして約720平方キロ、人口にして約58万5000人と、三重県の約三分の一を占めるという。2025年に受け付けた通報件数は4万1480件。四日市市、桑名市、菰野町の消防本部から計28人の職員が任務に就き、24時間、交代勤務で運営している。









