鈴木田俊二さんの作品集を刊行、四日市高校美術部の教え子ら、教育者の姿伝える別冊も

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【刊行された作品集と別冊を手にする丸山靖弘さん(左)と森芳功さん=四日市市諏訪町】

 洋画家・現代美術作家で、三重県立四日市高校の美術教師を20年以上務めた故鈴木田俊二さんの作品をまとめた「鈴木田俊二作品集~自然と文明、出会いを見つめて」を、教え子たちでつくる同高校美術部OBOG会が中心になって刊行した。作家としての活躍を紹介するだけでなく、「教育者としての鈴木田俊二先生」を別冊として同時に刊行し、生徒たちとの交流などを描き、作家として、教師として、多くの人に愛された姿が読み取れる。

 鈴木田さんが2022年に87歳で亡くなったあと、OBOG会は2024年に四日市市文化会館で「自然と文明を問う 鈴木田俊二展」を開催、反響を呼んだ。展覧会が終わり、作品集刊行の話がもちあがり、展示した作品を中心に、他の作品も含め、一冊にまとめた。

美術作家の姿、教育者の姿

 作品集は約130ページで105点が収録され、若いころの造形、鈴木田さんの特徴にもなった世界の砂を絵具のように使った砂浜のシリーズ、タクラマカンなどの砂漠の風景、イースター島、さらに、晩年の「ある出会いシリーズ」までを網羅した。生徒とともに合宿に通った三重県の波切の風景画などもあり、多面な画業の魅力を伝えている。

『タクラマカン』。実際の砂を材料にして描かれた(作品集から)
『MOAI(A)』。壊れた顔の一部が歳月を暗示する(作品集から)
『英虞湾の夕映』。同じ場所で描いた朝の風景もある(作品集から)

 別冊は約30ページあり、豪快で明るいだけではない鈴木田さんの人柄を理解することを助ける内容になっている。2冊入り230セットをつくり、予約した人と展覧会や刊行に協力してくれた人らに配った。四日市市立図書館、桑名市中央図書館、鈴鹿市立図書館、志摩市立図書館、三重県立図書館などにも寄贈しており、手に取ることが可能だ。また、わずかだが残部もあり、希望される方は展覧会の実行委員長を務めた丸山靖弘さん(090-4791-0235)に問い合わせを。1セット送料込みで5000円。

別冊の表紙でほほ笑む鈴木田俊二さん

各地に刻んだ活躍の跡

 鈴木田さんは1935年、四日市市で生まれ、京都市立美術大学(現京都市立芸術大学)西洋画科を卒業、1960年代から現代アートの世界で頭角を現し、モダンアート協会会員として、東海地方の美術界を牽引する存在だった。

 美術教員としては、愛知県の中学、高校に勤務したあと、母校でもある四日市高校で23年間教鞭をとった。定年後は名古屋芸術大学、新疆師範大学(中国)、各地の市民向け講座などでも指導した。晩年の2021年に愛知県の清須市はるひ美術館が「清須ゆかりの作家 鈴木田俊二」を開いた。四日市市文化会館で開かれた「自然と文明を問う 鈴木田俊二展」では、会期中に、作品に鈴木田さんをモデルにした人物を登場させた四日市高校卒業生の小説家伊吹有喜さんも講師などで訪れるなどし、大勢の人が鈴木田さんの作品に触れた。

 なお、最新情報がネットの「note鈴木田俊二作品集ニュース」に掲載されている。

河原田小学校のモザイク作品と鈴木田俊二さん(作品集から)

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