四日市市内でもロケ 黒木華さん主演の映画「アイミタガイ」 11月1日に公開予定

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【映画のワンシーン(©2024「アイミタガイ」製作委員会)】

 黒木華さんが主演で桑名市を中心に、四日市市内でもロケが行われ、2013年に刊行された中條てい著の同名小説が原作の映画「アイミタガイ」は、11月1日公開予定だ。

 原作では舞台が特定されていないが、映画監督の故佐々部清さんが、桑名を舞台に決め、桑名市に足を運んだ。2017年から佐々部監督作品として動き出したものの、20年3月に佐々部監督が死去。草野翔吾監督が引き継いだ。草野監督は佐々部監督の思いを汲み、撮影前に桑名市やその周辺の市町を何度も訪れた。

 「アイミタガイ=相身互い」は誰かを思ってしたことは、巡り巡って見知らぬ誰かをも救い、やがて自分の元に返ってくるという意味を持つ。映画は、ウエディングプランナーとして働く梓(黒木華)の元に、親友の叶海(藤間爽子)が亡くなった知らせが届く。梓は交際相手の澄人(中村蒼)との結婚に踏み出せず、生前叶海とかわしていたトーク画面にメッセージを送り続ける。叶海の両親はある児童養護施設から娘宛てのカードを受け取る。娘の遺品のスマホには溜まっていたメッセージの存在を知らせる新たな通知も届く。金婚式を担当することになった梓は叔母の紹介でピアノ伴奏を頼みに行ったこみち(草笛光子)の家で中学時代の記憶を思い出し、大事な時に背中を押してくれたのはいつも叶海だったと思う。その瞬間読まれるはずのない送信済みのメッセージに既読がつく。

【澄人と話す梓(©2024「アイミタガイ」製作委員会)】

 四日市市内のロケ地は現時点で公開されていないが、澄人は愛知県蟹江市から四日市に通勤している。佐々部部監督の下書きに繰り返し「川を渡る電車」という記述があり、近鉄名古屋線の事だという。

 誰の胸にも眠っている助け合いの心にそっと語りかけて呼び起こし、何気ない毎日を優しく照らす映画が完成した。映画館で四日市のどこで撮影されたか見つけるのが待ち遠しい。

【ポスター(©2024「アイミタガイ」製作委員会)】