水中で可憐な白い花を咲かせる梅花藻。水温が低い清流にしか咲かず、一般的な知名度は高くないが、自然風景を撮る写真家には人気の花だ。三重県菰野町から四日市市方面へ流れる智積養水の水源地「蟹池」(同町神守)の水路でも梅花藻が咲き、見る人に清涼感を与えている。

智積養水は、蟹池から湧き出す地下水を水源とする農業用水路で、田畑を潤すために古くから整備されてきた。四日市市智積町まで全長1784メートル続き、1985年には環境庁の「名水百選」に選ばれている。智積町では水路が整備され、鯉が泳ぐ姿も見られる。
蟹池の湧水は、鈴鹿山系に降った雨が地下にしみ込み、伏流水となって湧き出したもの。水温は年間を通して12度から15度ほどで、その冷たい水が水路に流れ出るため、真夏でも水温が20度前後に保たれる。面積は約35平方メートル、水深は5メートルほどの小さな池だが、透明度が高く、記者が訪れた3日午前11時ころには、名前の通り蟹の姿や小魚も確認できた。

梅花藻は、細長い3センチから5センチほどの花茎を水中や水面に伸ばし、直径約1.5センチの白い花をつける。梅の花に似ていることから名付けられた。水温が低い清流にしか生育できず、全国的に咲く場所は限られる。滋賀県米原市・醒井地区の地蔵川が名所として知られ、夏には観光客が訪れる。

開花期は夏とされるが、蟹池の水路ではピークを過ぎており、花は少なめだった。水路の幅が狭く近くで観察できるが、水路に入ったり、梅花藻を採る行為は環境保全のため厳禁だ。この時期にしか見られない貴重な花を、静かに見守ることが求められる。















