8月1日、2日に三重県四日市市で開催された第63回大四日市まつり。2日目は「郷土の文化財と伝統芸能の日」として、市内各地で受け継がれてきた山車や練りの演技が披露された。
今年、三滝通りと諏訪新道の交差点会場で大きな注目を集めたのは、四日市のシンボルとして親しまれている大入道の演技と、特別企画の「中部地区の山車大集合」だった。
故障を抱えた大入道と保存会の熱い思い
大入道(おにゅうどう)は、1805年に製作されたと伝えられるからくり山車。身の丈4メートル50センチ、首の長さ2メートル70センチ、山車を含めた高さは約9メートルに及び、日本一大きなからくり人形ともいわれている。1976年には三重県の有形民俗文化財に指定され、四日市を代表する存在として長く市民に親しまれてきた。
この日の大入道は、故障を抱えた状態での演技となった。昨年、大阪・関西万博に四日市の代表として参加した際に使用した1937(昭和12)年製の首を今年6月に点検したところ、内部の木材に不具合が見つかり、現在修理に出しているという。
代わりに、1869(明治2)年に製作された首を使用。しかし、調整を重ねたものの、首を最上部まで伸ばして固定する仕組みや、大入道の特徴の1つである舌を出す仕掛けが使えない状態だった。

演技を前に、大入道保存会の花井由文さん(75)は、観客に向け、いつもの演技ができない状況について、「一生懸命修理したんですけども、そんな結果で皆さんに本当に申し訳ない」と、声を詰まらせながら語った。「ここまでなんとか引っ張ってきました。中途半端な演技をすることになり、泣けてくるんですけども」という花井さんの悔しさをにじませる言葉や、「秋にもう1回チャンスがありますので、それまでになんとか直してこようと思います」という強い思いに、観客からは声援と拍手が巻き起こった。
万全ではない状態でも精一杯の演技
会場を取り巻いた大勢の観客が見守る中、大入道は、本来の首を大きく曲げたり、舌を出したりする動作はできなかったものの、太鼓やドラに合わせて腕を振り、目をむき、眉を動かしたり、可能な限りで首を伸ばす演技を披露した。

また、大入道の子どもとして親しまれる同市のマスコットキャラクター・こにゅうどうくんが、舌を伸ばした姿で大入道の真下から応援する場面も。
終盤、降りるはずの首が胴体に引っかかるハプニングもあったが、操作するメンバーが機転を利かせ無事に演技を終えると、会場からは今一度大きな拍手や掛け声が送られた。
5台の山車が大集合
会場では、大入道の前に演技を披露した鯨船勢州組、岩戸山、菅公、甕破りの4つの山車が待機。大入道の演技終了後、5つの山車が一列に並び、「中部地区の山車大集合」が実現した。
普段は個々でしか見られない大きな山車を一度に間近で見ることができる珍しい機会とあって、多くの来場者が見学や写真撮影を楽しんだ。
















