大学進学率の上昇や私立高校授業料の無償化などを背景に、公立高校の志願者は減少傾向にある。三重県立四日市商業高校(四日市市尾平町)も今年度は定員割れとなった。こうした状況の中、同校簿記部は「簿記の面白さを知ってほしい」と、中学3年生と保護者を対象にした「親子簿記講座」を開く。
会計ソフトが普及する中、簿記を学ぶ意味
近年は会計ソフトが普及し、仕訳や計算の多くが自動化されている。しかし、取引をどの勘定科目で処理するかといった判断は人が行う必要がある。簿記は数字の意味を読み取り、経営の状態を理解する力を育てるもので、売上や経費の動きを踏まえた最終的な判断は今も人が担っている。
学校や家庭で広がる簿記の実践
簿記部の伊藤翼さん(商業科2年)は、文化祭のクラスの模擬店でアイスフロートを販売する。カップの大きさ、ジュースやアイスの量、販売価格をどう設定すれば利益が出るかをクラスで真剣に話し合った。原価を調べ、損益分岐点を分析するなど、授業で学んだ知識を実践する機会として、模擬店を「ビジネス」として楽しんでいる。
米川碧泉さん(商業科2年)は、簿記の重要性を家庭で説明したという。簿記の知識があれば企業の財務諸表を読み取れるようになり、「本業の売上よりも不動産売買の収益が大きい企業もある」といった実態を判断できる。投資や就職活動の際の判断材料にもなり、説明を聞いた父親は投資に関心を持ち、自ら調べるようになったという。
四商で取得できる資格と進路への強み
日商簿記検定2級は、大学進学でも評価される資格だ。特に経営・商学・会計系の学部では、基礎力が身についていると受け取られる。また、高校生が挑戦する資格として難易度が高いとされる国家試験「基本情報技術者試験」も、就職では即戦力として、進学では学習意欲を示す材料として評価されている。
近藤美月さん(情報マネジメント科2年)は、プログラミングなどのPCスキルを身に付けようと入学したが、簿記を学ぶうちにその面白さに気付いた。日商簿記検定2級を取得し、現在は「基本情報技術者試験」の合格を目指している。
親子簿記講座の内容と工夫

親子簿記講座では、イラストを使った日商簿記検定初級のテキストを使用する。講師を務める簿記部顧問の佐藤智子教諭は、生徒の名前を商店名に設定し、「いくら儲かっているか」など実生活に置き換えた説明を行っており、生徒からは「他人事ではなく自分のお金の取引と感じ、分かりやすい」と評判だ。学校外でも簿記の魅力を伝えたいと、バブル時代の女性を主人公にした簿記の動画シリーズ「轟未知子🍄🟫日商簿記」をYouTube(https://www.youtube.com/@bookeepest)で配信している。

簿記部員は「簿記は未来への投資になる。ぜひ親子講座を受講してほしい」と参加を呼びかけている。
講座は全10回。教材費の1500円のみ必要で、受講料は無料。応募は申込フォーム(https://forms.gle/uSv3maWzUmmW1xh19)から受け付けている。
問い合わせは、同高進路指導室(059-331-6821)の佐藤教諭まで。















