あいち銀行を傘下にもつ、あいちフィナンシャルグループ(あいちFG、本店・本社とも名古屋市)と三重県の三十三フィナンシャルグループ(三十三FG、本店・松阪市、本社・四日市市)が5月13日、両社それぞれの取締役会で合併による経営統合に向け協議・検討を進めることを決議し、経営統合に関する基本合意書を締結した。総資産11兆6209億円の巨大な新金融グループが誕生する。
両FGは同日夕、名古屋市内で共同記者会見を開き、狙いなどを説明した。単純合算で、総資産(連結)が11兆6209億円(あいちFG7兆487億円、三十三FG4兆5721億円)。預金等残高(銀行単体)10兆98億円、貸出金残高(同)8兆1514億円、従業員数(連結)5023人、店舗数(銀行)362などの統合持ち株会社になる。当面は新FG傘下にあいち銀行、三十三銀行の両社名の銀行が運営される。
東京商工リサーチが同日、サイトで発表した記事によると、両FGのメイン取引社数の合計は1万8846社となり、国内金融グループの取引社数では16位(現在はあいちFGが24位、三十三FGが34位)に上昇するという。三重県では百五銀行の総資産が7兆3900億円余、預金残高5兆9800億円余とされ、新金融グループは数字の上では、これを上回ることになる。
経営統合の方法については銀行持ち株会社同士を吸収合併させることによる経営統合を予定しており、現時点では新FGの傘下で、あいち銀行と三十三銀行を運営する。合併比率などは決めておらず、最終契約までに詰めるという。

共同記者会見では、あいちFGから伊藤行記代表取締役社長執行役員、三十三FGから道廣剛太郎代表取締役社長が登壇した。伊藤社長が経営統合の経緯などを説明。人口減少や少子高齢化により地域の経済活動や労働市場にも影響が及び、「金利のある世界」への移行、デジタル技術の進展による異業種を含めた競争環境の激化により、地域金融機関を取り巻く経営環境が変化しており、こうした中で、あらたな投資を進め、顧客の課題解決に取り組むためにはリソース(人材、設備や資金、情報など)が必要であるとした。愛知県と三重県で得意とする店舗網が補完しやすいことや、それぞれの持つ関連会社の特徴などが互いを相手にするのにふさわしいと判断した、などと説明した。
道廣社長は、経営統合によって見込まれる相乗効果などを説明。あいちFGの強みとして、多様な専門子会社によるワンストップ体制、健全な貸出資産と含み益による強固な財務基盤、経営統合による「攻め」の組織力と人財の活用を挙げた。三十三FGの強みについては、高度なファイナンススキルと多様なソリューションメニュー、資産承継・資産運用のコンサルティング力、三十三総研、三十三地域創生を通じた地方創生への取り組みを挙げた。
経営統合の今後の予定スケジュールは、本年9月に経営統合に関する最終契約を締結し、合併に関する吸収合併契約を締結する。同12月に両社の臨時株主総会で決議し、翌2027年4月1日を合併の効力発生日にするという。
あいちFGは愛知銀行と中京銀行の経営統合により2022年に発足、三十三FGは三重銀行と第三銀行の経営統合により2018年に設立した。今回は県境を越えた経営統合になったが、地域銀行の経営環境の変化により、名古屋銀行と静岡銀行の経営統合発表など、全国的な動きとなっている。










