三重県の四日市市議会は2月25日も一般質問があり、政友クラブの笹井絹予さん、森川慎さん、伊藤嗣也さん、荻須智之さんの4人が立った。訪問美容の充実、新大学設置、人口30万割れを見据えた戦略、四日市市の奨学金のあり方など多岐にわたった。
「若者の県外流出を変える可能性がある」
大学を取り上げたのは森川さん。新図書館、四日市ドーム改修、くすの木パーキングの復旧など、多くのプロジェクトを抱える今、さらに市民の税金を投入して市が大学を設置しようとする意味は何かと質問した。
市側は、産業界には人材獲得への不安があるほか、地元に公立大学ができることで、これまで、特に理系ではほとんどの若者が県外に出てしまっていた現実を変えられる、などの可能性を挙げ、将来の四日市市のための投資として必要だと答弁した。費用についても、こうしたプロジェクトのための積み立てを十分にしてきたことや国の各種の補助制度などを活用することで、財政の健全性を保ちながら進められると述べた。
三重大学が新しい拠点として進出すると見込み、そこと連携する公立大学については、市は、新大学が北勢地域、ひいては県全体のための大学になるとの思いから、何らかの関与をまずは県、次いで北勢の市町に働きかけたいとも答弁した。
人口減が待つ将来に何を選択していくべきか
伊藤さんは、市の人口が30万人を切って、事業所税約40億円の収入がなくなることを見据えた戦略を市に求めた。伊藤さんは、市が平成16年に30万人を切ると見ていることに対し、独自の計算から平成12年に前倒しになる可能性があると指摘。それだけ、今は重要な時期にあるとした。
そのうえで、今後の市の成長へ向けた戦略として、三重大の地球環境センターの教授による藻類による脱炭素化の研究を紹介。こうした先進的な試みに市が積極的に関与していくべきだと求めた。市側は、カーボンニュートラル推進の取り組みにこの研究は入ってもらっており、しっかり取り組むと答弁した。伊藤さんは「令和の燃料廠」として、すでに愛知県で候補が挙がっている国の燃料補給場所にもなる特定利用港湾に挑戦する意識をもってもよいのではないか、などと市の積極的な姿勢を求めた。
明るい笑顔やフレイル防止にも役立つ
笹井さんは、地域で安心して暮らせるための、訪問美容の充実、ごみ集積場の防犯カメラ設置、交通空白地域での市民の足の確保などを取り上げた。このうち、病気やけが、認知症、施設入所などが理由で理容室や美容室に行けない人のための出張理容・出張美容について、出張だと費用も重なるため、美容師会などから要望が出ている補助制度の創設はできないかと質問した。すでに津市、鈴鹿市、松阪市、桑名市などが採用しているという。
市は、昨年度当初からこの1月までの利用者が理容3件、美容7件だったことを紹介、対象者が制限されるため、地域の居場所づくりなどを優先して進めているとした。そのうえで、他市の状況を調べ、研究は続けると答弁した。笹井さんは出張美容が喜びやフレイル防止にもつながるとして、あらためて補助制度の実現を求めた。
大学生の生活も支援する奨学金で優位性を
荻須さんは、JR四日市駅前の新大学に学生が来てもらうためにどうするかを踏まえ、学生は経済的に苦労をして大学を選んでおり、授業料や奨学金を他大学などとの平均的な姿にするよりも、学費に加えて生活費までまかなえるようなメニューにし、その魅力もひとつにして大学を選んでもらうことが必要ではないかと提案した。理系の大学をつくるにしても、学生が卒業後の進路に望む研究施設は本社のある東京などに集中しているため、勉強や研究のしやすさで若者を支援すべきだという。








