三重県の四日市市議会は2月26日も一般質問を行い、フューチャー四日市の伊世利子さん、小田あけみさん、樋口龍馬さん、竹野兼主さん、加納康樹さんの5人が、自分らしく生きられるための施策や、生成AIの学校や役所での使われ方などを質問した。
教員は生成AIの文章を見破るか
加納さんは、四日市の学校で子どもたちが生成AIとどう付き合っているのか、市役所では仕事にどこまで活用しているかなどを質問した。例として、夏休みの宿題としてよく取り上げられる読書感想文を生成AIを使って書いたとしたら、教員は気づくのか、議会での市の答弁は生成AIで書かれているのかなどを尋ねた。
廣瀬琢也教育長は、「普段から子どもに接している教員であれば、文章の表現などを見て気づく可能性はある。大切なのは、その機会をとらえ、AIに無批判に頼るのではなく、提示された内容を参考に、さらに自分で考えを深め、考察する力を育むことだと考える」などと答えた。家庭での生成AI利用のルールづくりの参考に、保護者向け啓発資料の配布も考えているという。
市役所内での活用については、市側から、一般質問の答弁書では、過去の議事録を調べてやりとりを要約させるなどで利用しているとした。市民とのやり取りでは、チャットボットで市のホームページを参照した案内をする場合に利用しているが、メールや電話でのやりとりには導入していないという。市政アンケートの集計などでも活用しているという。
ゲートキーパー養成や相談体制の充実を
伊世さんは、うつ病や自殺予防への市の対策などを尋ね、「命の門番」ともいわれるゲートキーパーの養成や相談体制について充実を求めた。
市側の答弁では、うつ病は15人に1人が一生のうちに一度はかかるといわれている。自殺は市の場合、2024年で49人、2025年で44人(暫定値)で、直近5年間の総数が264人。男性が女性の約2倍で、男性は40~50歳代、女性は70歳代が多いという。健康や家庭の問題が原因の上位にあるという。
ゲートキーパーについては、2011年~2024年で178回の養成講座を開き、約1万人が受講したという。民生委員や地域包括支援センター、企業の関係者、市職員など様々な人が受講したという。伊世さんは一般の人が多く参加できる形で講座を進めてほしいと要望した。相談体制としては、保健所に心の相談窓口を設けており、2024年度には延べ4200人余が利用したという。病気や家庭問題、経済問題など複合的な問題を抱えていることが多く、解決のためには多分野の協力が必要で、医師や地域包括センターにもつないでいるという。
システムを統一してはどうか
樋口さんは、プレミアム付き商品券の「よんデジ券」、子どもが芸術やスポーツに親しむ目的の「こどもみらいクーポン」、ボランティア活動へのポイントなどは、立ち上げるごとにシステム(プラットフォーム)をつくっていて費用もかかるため、将来的には、統一プラットフォームですべてを運用できるようにした方が効率的ではないかと質問した。
市側は、それぞれの事業には別の目的があるため、個別導入の方が目的に特化したシステムができる利点もあるとしたが、一本化した場合の費用削減などの利点もあり、導入が可能かどうか、調査する必要はあると答弁した。
吉﨑海岸にある太陽光パネルなぜ?
竹野さんは、自然共生サイトに認定された楠町の吉崎海岸に民間所有の太陽光パネルが敷設されており、いつか戻ってくると期待しているウミガメの産卵を阻害しないか心配だとした。市側は、海岸が民間所有になった経緯は分からないとしたが、稼働状況などから、現時点では海岸の自然に影響を及ぼすものではないとの見解を述べた。
竹野さんは前立せんがんの早期発見に有効なPSA検査について、四日市市でも補助対象にできないかとも求めた。市は、国の対策型5健診に入っておらず、診断が死亡率減少に結びつくかどうかが不確かと判断されているため、補助対象にならないと答弁した。竹野さんは、隣の鈴鹿市が補助していることを挙げ、金額的に大きいものではなく、早期発見で医療費削減にもつながるとして、市独自の施策として検討するよう求めた。
産廃で使えない土地、税の減免を
小田さんは、「大矢知・平津事案」として知られる産廃不適正の土地処理に関して、この現場内に土地を所有する地主は、何の責任もないのに、利用できなくなった所有分に従来通りの固定資産税がかけられているのは納得できず、市の判断で減免措置などができないかと質問した。
市側は、固定資産税は、その土地を使っていなくても所有によって課税されるほか、2007年の佐賀地裁で、産廃による土地は減価のための補正をしないなどとする判決があったとして、現状では減免は難しいと答弁した。小田さんは「大変残念だ、杓子定規であるべきではなく、柔軟な対応を考えるべきだ」などと求めた。









