三重県いなべ市の三岐鉄道東藤原駅で3月26日、これからのセメント輸送を担う新しい貨車タキ1300形式の運行が始まった。出発式が駅であり、関係者がテープカットなどで祝った。同市の太平洋セメント藤原工場が出荷するセメントは三岐鉄道、JR貨物と引き継がれて四日市港からは船便で近畿、東海エリアに運ばれるが、いまや、鉄道でセメント輸送が可能なのはこの地域に限られているといい、新しい貨車の新造もほぼ半世紀ぶり。出発式の様子は鉄道ファンも見守った。
白と青の明るい外装、テープカットで祝う
出発式には、太平洋セメントの髙野正徳藤原工場長、三岐鉄道の渡邉一陽社長、日本貨物鉄道(JR貨物)の齋藤哲也東海支社長、伊勢湾倉庫の福永隆社長、日本車輛製造の大口健司執行役員輸機・インフラ副本部長が出席、それぞれのあいさつがあり、ホームに入った新しい貨車を隣に見て、テープカットをした。白と青の明るい外装になった新しい貨車16台を連結し、初運行記念のプレートを先頭に付けた機関車が四日市方面に向けて走り出すと、式を見守った約30人のみなさんからも拍手が贈られた。


鉄道輸送の可能性にも触れるスピーチ
太平洋セメントの髙野工場長は「高い技術でできた新しい貨車は、安全性や輸送効率が格段に向上した。鉄道によるセメント輸送はこの路線を残すのみになったが、安定供給や地域づくりに大きく貢献できると考えている」などとあいさつした。三岐鉄道の渡邉社長は「安全安心はもとより、今後も長く輸送が続くよう努力します」などとあいさつした。
日本貨物鉄道の齋藤支社長は、セメント輸送が国を代表する産業の姿を見せた歴史をふりかえり、やがてトラック輸送に主力が移ったものの、今、運転手確保などの新しい課題も浮上し、地域での鉄道での輸送が再び見直される傾向にあることなどを紹介した。
タキ1300形式は、荷重約40トンで自重は約15トン。1960年代から製造されてきたタキ1900形式を引き継ぐ貨車で、2023年から製作が始まり、これまで運用試験などがされてきた。現在、25両が完成しており、今後、2028年度までに計60両に増やす計画という。「タキ」は積載量25トン以上のタンク車を示す記号という。











