特殊詐欺の被害が今年も増えている。三重県警四日市北署は4月15日、四日市市生桑町のマックスバリュ生桑店の店頭で注意を呼びかけた。ロマンスを装ったり警察官をかたったり、特殊詐欺の手口は様々に巧妙化しており、署員らは警察庁が推奨する対策アプリを紹介したり、「警察官はこんなことはしない」と書いたチラシを手渡したりした。
毎月15日を「特殊詐欺撲滅の日」と定め、定期的な啓発活動を続けている。この日は平日の午前中で、被害に遭いやすい高齢の客も多く、同署と四日市北地区防犯協会の約10人がチラシを手渡した。立ち止まって署員の説明に耳を傾ける人も多かった。
今年、すでに三重県内だけで12億円を超す被害
北署の戸田靖紀生活安全課長によると、今年1~3月に、三重県内ではすでに183件の特殊詐欺の被害が発生、12億5000万円を超す被害額になっている。北署管内でも16件、1億500万円を超す被害があるという。昨年1年間の三重県の被害が487件だったことをみても、被害件数はさらに増えそうな勢いだ。
北署管内の特殊詐欺被害は県内でも上位にあるといい、4月に入ってからだけでも多額の被害が明らかになっている。携帯電話に兵庫県警の警察官を名乗って「あなたの銀行口座がマネーロンダリングに使われている。あなたに疑いがかかっている」などと言い、LINEのビデオ電話で警察手帳のようなものを見せ、「身の潔白を証明するために紙幣番号を調べる」などと理由をつけ、計約390万円を振り込ませた事件があった。
投資を理由に多額を失う事件も起きている。ウェブサイトで知り合った女性を名乗るLINEアカウントから、投資の講師を紹介されるなど株式投資を勧められ、投資アプリをインストールして、指示のまま計約1550万円を振り込んでしまったケースもあった。別の事件でも、やはり投資サイトに登録するなどし、指示のまま計約1070万円を振り込んでしまった。いずれも被害額が大きくなるのが特徴だ。
警察庁推奨の特殊詐欺対策アプリも有効
こうした被害を減らそうと、北署では、警察官をかたって「逮捕」などの言葉を使って不安にさせる手口に注意を求め、①警察が捜査といって金銭を要求したり振り込み手続きを指示したりすることはない②警察は警察手帳や逮捕状などを画像で送ることはしない③警察官の所属と氏名を聞いて、四日市北署(059-366-0110)や警察相談電話(♯9110)で確認する、などのポイントを解説したチラシを配った。
また、警察庁がこの春から力を入れているという無料の特殊詐欺対策アプリを紹介するチラシも配った。国際電話や詐欺電話をブロックするといい、「詐欺対策」(NTTタウンワーク)、「詐欺バスター」(トレンドマイクロ)の2種がある。「警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ」を検索すると詳しく紹介されており、ダウンロードもできるようになっている。

特殊詐欺は、手口を拡大させている。インターネットで知り合って、恋人や結婚相手になったかのようにふるまい、金銭を送金させる「ロマンス詐欺」、親族などを装い、事故の示談金などの名目で金銭をだまし取る「オレオレ詐欺」、税金の還付に必要な手口と言ってATMから送金させる「還付金詐欺」、未払い料金があるなどと言って金銭をだまし取る「架空料金請求詐欺」、警察官や銀行協会などを装い、「キャッシュカードが不正に利用されている」と言って、キャッシュカードをすり替えて盗む「キャッシュカード詐欺盗」などがある。









