文武両道を評価され、今年の春の選抜高校野球大会(センバツ)で「21世紀枠」の東海地区推薦校となった三重県立四日市高校野球部。甲子園出場こそ叶わなかったが、選手たちは夏の県大会優勝を目指し、白球を追い続けている。

四日市高校は「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」指定校で、県内でもトップクラスの進学校だ。部員は1年生11人(内マネージャー1人)、2年生14人(同1人)、3年生22人(同2人)。全員が野球経験者だが、全国レベルの有力選手が集まる私学強豪校とは環境が異なる。
朝練習はなく、テスト期間は完全オフ。放課後の練習は約2時間で、短時間で集中力を高めながら技術を磨き、土日は県内外の高校との練習試合を重ね、力をのばしている。

昨年の秋季大会では、強豪・いなべ総合に安打数で劣りながらも、手堅い守備と落ち着いた試合運びで勝利。準々決勝では宇治山田商業との接戦を制し、ベスト4入りを果たした。一方、今年の春季大会ではいなべ総合に7対2で敗れ、夏に向けて課題も浮かび上がった。
学習もおろそかにしない

主将の隯海生(しま・かいせい)選手(3年)は「俊足の選手が多いので、盗塁や積極的な走塁で機動力をつなぎ、負けないチームをつくりたい」と語る。
走力が突出し、高い打率を誇る貞任宏槻(さだとう・ひろき)選手(3年)は、野球への情熱が強い一方で、学習もおろそかにしない。練習後には塾に通い、毎日7時間の睡眠を確保するなど、文武両道の生活を大切にしている。
2年生からベンチ入りする田中新投手(3年)は、コーナーを丁寧に突く制球力が武器だ。春季大会は腰の痛みで出場できなかったが、チームメイトからの信頼は厚い。テスト期間は練習が休みになるが「回復が期待できる」と前向きに捉え、夏に向けてベストコンディションを目指している。

最後の夏へ――悔いのない試合を
加藤敬三監督は「優位な展開では力を発揮できるが、劣勢になった時に打ち返す力をつけたい」と話す。選手たちは課題にも向き合いながら、最後の夏へ歩みを進めている。
進学後も野球を続けられるかは分からない。だからこそ、3年生たちは「今できること」に全力で向き合い、最後の夏へ挑む。









