ユネスコ無形文化遺産登録から今年で10周年となる「鳥出神社の鯨船行事」の本練りが9月27日、三重県四日市市富田の鳥出神社で行われた。今年は森智広市長も南島組の練りに加わり、力強い練りが奉納された。

前日は雨の中、大勢の人が濡れながら練りを行い、山車の屋根には透明のシートが掛けられ、破損を防いだそうだ。慣例により毎年一つの組が練りを行わず、今年は北島組が休みの年。北島組のメンバーは鳥出神社で見物客の誘導などを担い、裏方として行事を支えた。

富田鯨船保存会連合会の加藤正彦会長によると、森市長は毎年本練りに足を運んでいるものの、公務の都合で長く見学できない年が多かった。今年は森市長から「練りに参加したい」と申し出があり、南島組の山車本体の動きを担う「はら」として参加した。
前日の雨で境内の土が湿り、山車を動かしにくい中、南島組の山車は左右に大きく揺れながら進み、力強い練りを見せた。

鯨船行事はかつて女人禁制だったが、担い手不足から女性が加わる組もある。南島組の伊藤則一副会長によると、南島組は今も伝統を守り男性だけで続けている。「今は60代の人が活躍しているが、10年後は厳しい。できるだけ伝統を守っていきたい」と語った。

今年は神社の駐車場で初めてマルシェも開かれ、多くの来場者でにぎわった。花傘をかぶって船に乗り「櫓こぎ」を務めた赤池琉河君(6)は役目を終え、バナナジュースのキッチンカーの列に並びながら「楽しかった。また来年もやりたい」と笑顔を見せていた。

伝統を重んじる組がある一方、時代に合わせて変化していく組もある。節目を迎えた今年も、それぞれの形で行事を支える人たちの姿が見られた。














