一人の「ひと」として 多文化共生イベントに込めた思い 3月1日、三浜文化会館で開催

多文化共生イベントのポスターを手に、来場を呼び掛けるハートピア三重の佐野愛さん
【多文化共生イベントのポスターを手に来場を呼び掛ける佐野さん】

 四日市市主催の多文化共生イベントが、3月1日(日)午後1時半~4時半まで、三重県四日市市海山道町の三浜文化会館で開催される。日本に暮らす外国人への通訳や情報提供、生活・教育支援などを行うNPO法人ハートピア三重が企画。「多様性の語り部」として、全国で活動するにしゃんたさん(スリランカ出身)を招き、講演会「違いを楽しみ、力にかえる」を行うほか、音楽ライブやパネル展示も予定している。

 同法人の佐野愛さんに、活動やイベントへの思いを聞いた。


異なる文化の中で広がった視野

 この活動に7年携わってきた佐野さんには、原点となる体験がある。

 17年前、当時所属していた会社の業務で、7か月間シンガポールに赴任した。多文化が共存する都市国家・シンガポールではさまざまなルーツを持つ人が暮らし、電車のアナウンスは英語のほか中国語、マレー語、タミル語で流れる。どんな服装の人が歩いていても、誰も特別視しない。

 日本を出国する前は意識したこともなかったが、帰国後、人の目が気になるようになった。「それまでは感じたことがなかったのに、窮屈さを覚えて、シンガポールで自分が伸び伸び暮らせていたことに気付きました」。

 人種や国籍、はたまた外見ではなく、一人の人として向き合う。多様さが日常にある社会を体験したことが、今の活動につながっている。

昨年の多文化共生イベント会場に設けられたパネル展示の様子
昨年の同イベントでのパネル展示=ハートピア三重提供


「難民」という言葉の向こう側

 昨年のイベントでは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日事務所法務部首席法務アソシエイトによる講演を聴き、「難民とひとくくりにしてしまいがちだが、一人ひとりに違う人生がある」と実感した。実際に難民キャンプで支給される毛布やランタンを手に取る機会もあり、その後ニュースを見る目が変わったという。

昨年のイベントで、難民キャンプで使用されているランタンを手に取る来場者
昨年のイベントで、難民キャンプのランタンを手に取る来場者=同


子どもたちには壁がない

 活動を通して、家族ぐるみで付き合うブラジル人の友人もできた。子どもの学校には中国やベトナムなど多様な背景を持つ家庭があるが、子どもたちは自然に関わり合っている。「子どもたちには壁がないんです」。その姿に、やさしい社会の実現と地域の可能性を感じている。


違いを力に変えるために

 今回の講演テーマ「違いを楽しみ、力にかえる」という言葉は、佐野さんの経験とも重なる。違いを恐れるのではなく、互いから学び、良いところを取り入れる。その積み重ねが地域を豊かにしていくと考えている。「私たちも専門家ではなく、地域の一員として学びながら活動してきました。だからこそ、誰にとっても身近に感じられる場にしたいと思っています」。

多文化共生イベントで行われる音楽ライブの様子
今年も開催する多文化共生音楽ライブ=同

 大学教授やタレントの顔も持つ、ダイバーシティースピーカー・にしゃんたさんの講演は午後1時30分から、ペルー出身の日系3世で伊賀市在住の村井フェルナンドさんと、鈴鹿市で「リズムあそび教室」を主宰する音の配達人むろさんによる音楽ライブは、同3時半から。入場無料。

 当日の様子は、ハートピア三重のインスタグラム(https://www.instagram.com/heartpiermie/)で配信予定。問い合わせは、担当の今村さん(08051246216)へ。 

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