三重県四日市市は9月3日、市議会の議会運営委員会で、昨年9月の大雨で水没した地下駐車場を取得するための一般会計補正予算案を9月9日に追加上程すると説明した。地下駐車場の取得費2億526万円余などの3億5100万円で、復旧のための設計業務委託費などに必要な来年度までの債務負担行為1憶6100万円の承認も求めている。
議会運営委員会では、「このような重要な予算案を、議論する余裕のない追加上程の形でもってくるのは議会軽視だ」などの厳しい意見が相次いだが、市側は地下駐車場の半分を所有する国側の復旧工事との遅れを広げないこと、いつまでも市中心部の施設を放っておけないなどの理由を述べて上程への強い意思を示した。
市の説明によると、補正予算額の内訳は地下駐車場の取得費が2億526万1000円、清掃等業務委託費が7873万9000円、施設復旧設計業務委託費が3000万円、電気通信設備設計業務委託費が3700万円。債務負担行為については、施設復旧設計業務委託費が7300万円、電気通信設備設計業務委託費が8800万円となっている。
市は、今後の駐車場の復旧工事費などについても説明し、原形復旧や浸水防止策の強化などで工事費35億円とした。地下駐車場の取得から復旧工事までの全体復旧事業費は40億1200万円と見込んでいる。市は被災前の運営実績に基づく試算で、年間約9000万円の収益が見込め、復旧後40年間の耐用年数内に復旧経費の回収も可能と説明したが、委員会では「見通しが甘い」などの異論も出た。
水没した「くすの木パーキング」は、国所有部分を除く、おもに中央通りの地下駐車場部分を株式会社ディア四日市が所有、運営していた。しかし、今年2月に同社は破産開始決定を受け、市は破産管財人との間で取得についての価格交渉などをしてきた。

市側は当初、復旧に多額の費用が見込まれるため、地下駐車場の価値は実質ゼロ円と主張したが、破産管財人からは、地下駐車場は浸水で損傷したものの、建物本体(躯体)は損傷しておらず、建物本体の価値はあるとの考えを示され、その後、撤去工事にかかる費用などを差し引き、2億526万余円とする考え方でおおむね合意したという。
ディア四日市には三重県からの借り入れの残高や遅延損害金があって、この抵当権を抹消するために2億円余が必要となるといい、裁判所が売買契約を許可した場合、事実上、取得費の中から支払われることになる。委員からは「なぜ四日市市だけが払うことになるのか。県や国と相談できないのか」といった声もあった。
今議会で取得費の補正予算案が通れば、市は破産管財人と売買仮契約へと進みたい考えで、11月定例月議会に所得議案を提出したいという。市は地下駐車場は公共工事による復旧しか手はないとし、早期の取得と復旧工事を方針にしてきた。















