30キロ減量、はしご登りの演技者に、四日市の山本峻示さん出初式でてっぺんに

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【四日市ドームで開かれた出初式で妙技を披露する山本峻示さん=四日市市羽津甲】

 消防出初式の花形「はしご登り」で、30キロの減量を成し遂げて演技者になった男性が三重県にいる。四日市市消防団下野分団の山本峻示さん(37)で、地上6メートルのはしごの天辺(てっぺん)で妙技を見せた。「やっとスタートライン。長く演技を続けられるように頑張りたい」と話している。

四日市ドームで妙技を披露

 四日市ドームで1月11日にあった出初式。山本さんは最初の2人の演技者の1人としてはしごの天辺に立ち、「遠見」「足留」「吹き流し」や、おなかを下にした「一本大の字」から、手離しで仰向けになる「肝返り」の連続技などを次々に披露し、1000人を超す観客から拍手を浴びた。

 四日市の消防団員は約570人。このうち、はしご登りは指導者を含めて約15人が担っているといい、実際に演技者に選ばれるのは8人ほどという。市民への披露の機会は、大きく新年の出初式と夏の大四日市まつりがあり、山本さんが所属する下野分団は、25ある四日市の分団の中で、演技者を出してきた団のひとつだった。

はしごの天辺での演技
向かって右のはしごでの演技者が山本さん

先輩が切り開いた道を自分も

 自治会から声がかかって2022年に消防団員になった山本さんは、当時、体重が98キロあった。もともと体は大きい方で、テニスなど運動もこなしていたため、30歳代半ばになって、健康維持を考え、「少し減量した方がいいかな」と思うくらいの意識だったという。

 転機は2023年の秋。はしごでの演技者「登上(とうじょう)」を務めていた分団の先輩が引退を考えていると聞いた。先輩の演技は山本さんにとってあこがれで、分団から演技者がいなくなるのは残念だと思い、「先輩が切り開いた道を受け継ぎたい」と決心、ジムに通うなど本気で減量を始めた。

食事と運動のカロリー計算が基本

 減量作戦の基本は、毎回の食事のカロリーを計算し、運動をしたカロリーとの差し引きで体重を落とすこと。毎食、必ず、おおざっぱでも自分で食べたもののカロリーを計算し、職場と自宅の中間にあるジムで有酸素運動を中心に取り組んだ。最初は簡単に落ちる体重も、少しすると落ちにくくなる時期が来るため、がまんの時期もあったが、それを乗り越え、1年後の2024年夏には目標の75キロを下回る73キロに。そのタイミングで、初めて先輩に「やりたい」と相談した。

 厳密に言えば、はしご登りの演技者に体重の決まりはない。ただ、体重が大きいと、下ではしごを支える「根持ち」と呼ばれる消防団員たちの負担になる。はしごは竹を組んでつくるが、折れたりすると危険なため、それとなく、75キロ以下の目安があるという。山本さんは結局、68キロまで自分の体重を減らしたという。

長く続けられるようこれからも練習

 先輩に指導してもらうなどし、2024年夏の大四日市まつりで「根もち」に参加させてもらった。翌2025年の新年の出初式では、3人ではしごに登る演技の下の1人に選ばれ、そして今年、ついに一人ではしごの天辺で演技をすることを任された。「気が引き締まる思いでした」と話す山本さん。練習を始めたころ、はしごの上は怖かったが、今では、無意識に技のひとつひとつを体がこなすまでになってきたという。

 「演技ができたとはいえ、演技者の中にも競争があり、このあとも必ず選ばれるためには練習が必要です。どんな演技もできるようにしたいし、1年や2年で終わるのではなく、長く続けたいと思います」と話している。次は、夏の大四日市まつりでの演技をめざすことになる。

 市消防本部によると、四日市の出初式は、はしご登りの起源ともいわれる江戸時代の「加賀鳶はしご登り」を引き継ぐ金沢市消防団を参考にしているといい、意見交流などもしているという。

下野分団のみなさんとポーズを決める山本さん(前列左)=提供写真

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