傘を通じて本当に大切なものに気づく「おじさんのかさ」|えほんだいすき

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「あめが ふったら ポンポロロン あめが ふったらピッチャンチャン」
子どもたちの歌声を聴いて、おじさんは雨の日でも一度も開いたことのない大切な傘を開く。がんこなおじさんが、子どもたちの楽しそうな様子に心を動かされたのだ。
自分の持っているりっぱな傘があまりにも美しいので、眺めるだけで満足。傘を濡らしてしまうなんて・・・と考えているおじさんは、雨が降ると傘はしっかり胸に抱いて、他人の傘に入れてもらっていたのだ。
このおじさんがバアッと傘を開く場面、ページいっぱいに描かれた傘の絵は忘れられない。
大人はときどき子どもの姿に感動して、ほんとうに大切なものに気付く。そんな瞬間を、一冊の絵本に閉じこめている。
最後の奥さんの一言もいい。
 「あら、かさを さしたんですか あめがふっているのに」

『おじさんのかさ』
佐野洋子 作・絵
講談社 1,540円

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