三重県の四日市市教育委員会と三重弁護士会は7月21日、学校ADRに関する協定を締結した。いじめなど学校で生じる問題で学校と保護者などの関係がこじれた場合でも、第三者がそれぞれとの話し合いなどを通じ、柔軟で速やかな解決を図るという。この協定を自治体と弁護士会が結ぶのは全国でも初めてのことという。
ADR(Alternative Dispute Resolution)は仲裁、調停など、トラブルを裁判(訴訟)によらずに行う紛争解決方法を広く指すもので、「裁判外紛争解決手続」と呼ばれている。これを学校の問題に適用するのが学校ADRで、四日市市教委は三重弁護士会の協力を得て仕組みづくりを検討、この2年ほどはモデル事業にも取り組み、実際に4件ほどの問題解決をしてきたという。
協定締結式は市役所の教育委員会室であり、三重弁護士会から森一恵会長、川本一子副会長、森川仁学校ADR顧問、芦葉甫学校ADRコーディネーターが出席、市教委からは廣瀬琢也教育長、長谷川術副教育長、稲毛弥生教育監、川森薫育ち支援課長が出席し、森会長と廣瀬教育長が協定書に署名した。
廣瀬教育長は「社会環境の変化で、いじめや保護者との関係がこじれ、長期化することも少なくないが、市は全国に先駆け、弁護士会の協力を得て取り組んできた。大人の対立で子どもの権利が失われないようにし、専門性と中立性を確保することで感情的な対立を避けることもできる。協定締結でパートナーシップを強化し、より市民から信頼される学校運営を実現したい」などとあいさつした。
森会長は「弁護士会として法的なアドバイスをし、学校での困りごと解決に私たちの力を活用していただけることに感謝します。これを機に、ほかの自治体との間にも協定が増えていくことを願っています」などと期待を述べた。
学校ADRでは、学校問題解決を支援するコーディネーターを弁護士、医師、学識経験者、心理士、校長経験者などから選任し、調査や仲裁案の提示も行いながら、当事者同士の合意を図っていくという。
文科省も行政による学校問題解決のためのモデル事業を開始し、全国で9市町が採択された。しかし、四日市市以外の自治体では相談窓口の設置などの取り組みで終わり、弁護士会の協力を得て踏み込んだ体制を築いたのは四日市市のみとなり、四日市市は全国で初の学校ADRを構築することになったという。















