三重県菰野町でキルトの教室を開いている牧江恵子さん(71)が、9月11日から桑名市の川スミギャラリーで初の個展「私の部屋 キルト展 la Mia Stanza ~布と糸で紡ぐ色彩~」を開く。牧江さんの持ち味ともいえる独特な色使いなどを見てもらおうと、3人の友が会場探しなどで背中を押した。9月17日まで。入場無料。
2メートル余四方のタペストリーなど
作品は20点前後になる予定で、最も大きいのは2メートル余四方のハンド(手縫い)キルトのタペストリー。牧江さんは亡くなった夫への思いを込めて「永遠(とわ)」と名づけた。ミシンで縫うミシンキルトの「ローズガーデン」は、米国ボルチモアの昔からの伝統的な花を題材とする作品で、こちらは約1.6メートル四方の大きさ。どちらも数年がかりで完成させた。
牧江さんは、2019年のパッチワークキルトの専門誌「キルトジャパン」秋号に、おとぎ話をモチーフにハイヒールを描いた作品が掲載され、それがきっかけになってフランスの専門誌でも紹介された。この作品も展示する予定だ。
ほかにバッグ類やテディベアなど小物もそろえ、これらを部屋仕立ての風景として見せる。「くつろいだ雰囲気で楽しんでいただければ」と話す。

30代で始め、50代で指導者に
牧江さんがキルトを始めたのは38歳の時。母美代さんが64歳で亡くなって、母の先生だった地元の鈴木サチさんから勧められた。
牧江さんは子どものころ、美代さんにリフォームで服をつくってもらった。キルトをする姿も見ていた。そんな思い出もあって、牧江さんは鈴木さんの手ほどきを受けることにした。
52歳の時、鈴木さんから資格が取れる名古屋の教室に通うことを勧められ、3年半ほどして講師、さらには指導員の資格も得た。最初は自宅で、2年ほど前からは菰野地区コミュニティセンターで「キルト教室コローレ」の名の教室を開いている。
牧江さんはハンドキルトを木藤紀子さんに、ミシンキルトを橋本智美さんに師事している。どちらも日本手芸普及協会の中でもリーダー的な指導者だ。キルトの講師らが所属するキルトリーダーズ三重に所属し、3年に1度の作品展に共同で出品してきたものの、自らの個展を開くことまでは考えてこなかったという。
「牧江さんの作品を見てほしい」と動いた3人の友
初めての個展を実現させたのは、合唱仲間だった3人の友だ。出会いはほぼ10年前、女声合唱LUCE(ルーチェ)の立ち上げのころからの活動の中だった。今は合唱は卒業したが、その後も親しいおつきあいが続いている。
四日市市の松葉成美さん(75)は、牧江さんの作品の色使いや、柄の布に柄の布を合わせる手法が印象的で、ふだんから「機会があったら、彼女の独特な世界をたくさんの人に見てもらいたい」と思っていたという。3年ほど前、展示会場探しを松葉さんから相談された桑名市の岩田満理子さん(75)が、夫が写真展を開く時に使う川スミギャラリーを推薦した。四日市市の古村敦子さん(66)も話を聞いて大賛成。「ぜひ、お手伝いしたい」と手作りの案内状もつくった。会場づくりなども手伝うつもりだ。

牧江さん「もうひとつ上のデザインめざしたい」
ただ、川スミギャラリーは展示場として人気があり、会場を予約できるまでには1年半以上が必要だった。初個展は、アイデアが出てからほぼ3年をかけて実現しようとしている。
牧江さんは「3人に背中を押してもらって、ここまで来ました。来場されるみなさんには、部屋でくつろぐようにして見ていただきたい」と話す。初の個展をきっかけにして、「もう一段階上のデザインの作品ができるよう、これからも努力していきたい」と思っているそうだ。
川スミギャラリーは桑名市大仲新田字新井水下67-3のサンパーク川スミめがね本店内。展示は午前10時から午後5時まで(最終日は午後3時まで)。
















