今年度、三重県立菰野高校で新たにレスリング部が誕生した。全員が初心者ながら、前身の同好会時代から東海大会に出場するなど、着実に力をつけてきた生徒たちがいる。
経験者で顧問の竹本裕哉教諭(33)が「レスリングの楽しさを伝えたい」と、2024年に愛好会として立ち上げた。中学時代に柔道部だった生徒らに声をかけて4人が集まり、武道場にレスリング用マットを敷いて基礎から練習を始めた。
経験者はおらず、捻挫や突き指は日常茶飯事。脱臼など大きなけがにつながらないよう、基礎を丁寧に教えているという。初年度から公式戦に出場するなど活発な活動が認められ、翌年には同好会に昇格した。
レスリングを始めてすぐの5月には県総体があり、対戦相手はくじ引きで決まる。競技歴2カ月ほどの選手が、小学生の頃から競技を続けてきた選手と対戦することもある。相手によっては、わずか15秒で勝敗が決まることもあり、初心者には厳しい世界だ。
キャプテンの濱田りーくひろみさん(2年)は「せめて1年生の最初は初心者同士で対戦できるようにしてほしい」と話す。中学時代からボクシングを続けてきた格闘技好きで、1年生の県総体で初勝利を挙げた。始めたばかりで一勝できたことが大きな励みになったという。
練習を続ける中で体格も向上し、勝利への思いも強くなった。「きちんと練習を重ね、新人戦で入賞し、全国選抜に出場したい」と目標を掲げる。

創部1年目の新入生・米内蓮輝さん(1年)は県総体で3位に入賞した。階級は80キロ級で、存在感のある選手だ。「全国大会に行きたい」と練習に励んでいる。

竹本教諭は「レスリングは陸上競技のようにタイムで結果が決まる競技ではなく、対戦相手によっては努力が報われないと感じることもある」と話す。それでも、生徒たちが成長していく姿に喜びを感じているという。
全員がレスリングをするために入学してきたわけではない。自ら競技を選んで入部した生徒たちに「やってよかった」と思ってもらえる部活動にしたいと、竹本教諭自身も生徒とスパーリングを重ね、胸を貸している。
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