三重県の四日市市議会は9月7日、引き続き一般質問をし、いずれも新風創志会の辻裕登さん、谷口周司さん、石川善己さん、山田知美さんと、無会派の今村厚美さんの計5人が質問に立った。市側は、県が正式に招致を表明した2031年の第81回全国植樹祭の開催会場となることに意欲を表明した。
「諸条件調べ、しっかり取り組む」
全国植樹祭については、谷口さんが、産業だけでなく、豊かな自然もあり、様々な課題を克服して今は環境先進市になっている四日市のことを全国に知ってもらえる絶好の機会として、会場開催地への立候補の意思を質問した。市側は「産業と自然が調和している四日市を全国にアピールしたい」として、しっかり取り組んでいくと答えた。森智広市長も「全国植樹祭は意義深く、意欲的に考えている。県の開催地選定の諸条件を調べていきたい」と述べた。
全国植樹祭については、一見勝之知事が8月の定例記者会見で県内誘致を正式に発表した。開催地の正式決定はこれからだが、実現すれば1980(昭和55)年に菰野町の県民の森を主会場にして以来2度目となる。
谷口さんは、地域のまちづくりを進めるためにつくった地元のプラン「地域・地区別構想」について、策定から最大で17年たった地域もあり、市の計画に反映されるのがいつか分からないために、「つくっただけなのか」などの批判の声があると指摘。構想ができたあと、市が何をして、現状はこうなっていると説明する機会を設けるべきだと求めた。
個々の学校での対応だけでなく市全体での学校再編へ
辻さんは、少子化や施設の老朽化を踏まえた「小中学校の規模適正化計画」について質問し、国が適正配置について各市町で判断するよう求めるようになったことをとらえ、学校単位で考えず、市全体での配置を考える学校再編計画が必要ではないかと指摘した。市側は、少子化進行や学校施設の更新時期について、個々だけでなく、一体的にとらえる必要があり、学校再編への取り組みにしていきたいと考えている、などと答弁した。
辻さんは、相好アリーナ四日市(総合体育館)がネーミングライツから1年になったことから、今後の市の方針を聞いた。市はすでに企業や市民にアンケートを実施しており、応募に前向きな企業が9社あり、市民の7割から「親しみやすい」などネーミングライツに肯定的な意見が寄せられたとした。そのうえで、今後は四日市ドーム、四日市市文化会館での検討が軸になるとして、利用者の意向などを確認していると話した。
ソーラーや蓄電池で災害時も機能する公園の照明や街灯を
石川さんは、公園の照明や防犯街灯について、災害時に停電しても機能するソーラー式LED照明や蓄電池方式の照明を導入していくべきではないかと質問した。市側は公園などに現在57基が設置されているとし、その役割は大きいとしたが、一方で、多くが省電力設計になっているために十分な明るさがないことや、天候に左右され、交換までの期間がまだ短く、維持管理に課題があるとして、当面は電源供給が困難な場所への補助的なものと考えていると答弁した。石川さんは、機能的には新製品も出ており、電気の供給が失われた夜でも街灯が安心感を与えることの大切さを考え、検討を続けるよう求めた。
子どものケアができる避難所、ひとり親家庭への支援
山田さんは、災害時の避難所で、慣れない環境から、眠れなくなる、突然泣き出すなどの反応が子どもに起きるため、「子どものための心理的応急処置(PFA)」が求められるとし、こうした状況に対応できる対策や人材確保が必要だと指摘した。
市側は、避難所では授乳室やキッズスペースにも配慮しており、防災訓練などの避難所設営で子どもの居場所をつくって参考にしてもらっていることや、防災大学講座のカリキュラムに災害医療や心のケアを組み入れ、子どもとの接し方に重点を置いて、対応できる人材育成をしていることを紹介した。山田さんは、防災の知識をもつ人を育て、そうした人材を市が把握して、災害時には地域で活躍してもらえるようなやり方を進めてほしいと求めた。
ひとり親家庭の支援では、今春施行された改正民放により、法定養育費(最低月額2万円)を請求できるようになったことや、養育費が支払われない場合に裁判を経ないで差し押さえが認められるようになったことなどを紹介し、市の取り組みを聞いた。市側は、ていねいな相談のほか、公正証書を作成する時の補助をしてきたことを説明した。
山田さんは、ひとり親家庭の日常生活を支援する家庭生活支援員を確保していくために、里親の経験のある人にもお願いできないかと質問した。市側は、国の見解として一定の研修が求められており、ファミリーサポートセンターでの援助会員講習を修了していることなどが必要で、里親だけの経験では支援員はできないものの、里親がこの講座を受ければ可能だとも説明した。山田さんはひとり親家庭の支援へのニーズなどを把握するアンケートなどの調査も早期に進めてほしいと求めた。
在宅や車中の避難者への支援、戦争の記憶をどう伝える
今村さんは、災害時に所定の避難所ではなく、在宅や車中泊などで避難生活を送る人がおり、こうした人へ確実に物資などを届ける方法を市はどう考えているかと質問した。市側は一定期間の避難生活をする指定避難所を市内118カ所に設定しており、そこを拠点に物資を届けるほか、地区の集会所などでも物資を保管しており、これらを活用すると答えた。
今村さんは、戦争の記憶をどう伝えていくかをテーマに市の取り組みについて質問。市側は、遺族会をはじめとする各団体の例年の慰霊行事のほか、市立博物館でも毎年、戦争の時の庶民の暮らしなどを紹介する企画展を続けていることを紹介した。今村さんは今後も継続的な取り組みをしてほしいと求めた。















