三重県四日市市の名産「大矢知ひやむぎ」を使った餃子と焼きそばが9月12日(土)、同市諏訪栄町の商店街にある「おかんの隠れ家」に登場する。餃子は四日市農芸高校の生徒が考案したレシピをもとにした一品で、焼きそばはメ~テレ(名古屋テレビ放送)の情報番組「ドデスカ!」で紹介され話題となった。
農芸生が生んだ「ひやむぎ餃子」
2023年、当時同高3年だった伊藤光星さんが「みえ食の人材育成プラットフォーム産学連携事業」を活用し、大矢知ひやむぎを使った揚げ餃子を考案した。都ホテル四日市がレシピをアレンジし、ブッフェで提供したところ、好評を得た。
翌年3月には、ラグビーチーム「ホンダヒート」の動画制作で選手がひやむぎ餃子を試食する機会もあった。卒業式を終えた伊藤さんも「その様子を見届けたい」と登校。自ら考案した餃子への思い入れの強さをうかがわせた。
しかし、その後は提供する場がなくなり、ひやむぎ餃子は一度、姿を消した。
商店街で3年ぶりの復活
再び商品化に向けて動き始めたのは今年。「おかんの隠れ家」のシェフが、四日市の食材を使った新メニューを考える中で、渡辺手延製麺所(同市川北)の渡邉さんに相談したことがきっかけだった。渡邉さんはシェフに「あの味を再現してほしい」と依頼。試作を繰り返した。
ひやむぎを和風の出汁で茹で、牛すじを使った濃縮ブイヨンで味付け。それを皮で包んで揚げると、和と洋の風味が重なる奥深い味わいの餃子が生まれた。渡邉さんの記憶の中の味がよみがえった。「ひやむぎのもちもち感と、時間が経っても食感がよく、完璧な仕上がり。すごい技術だと思う」と渡邉さんは笑顔で語る。

ドデスカで話題になった「ひやむぎ焼きそば」も提供
一方、焼きそばは今年7月、渡邉さんが「ドデスカ!」の「旬感メシ」のコーナーで紹介したメニュー。番組で好評だったこともあり、「おかんの隠れ家」で提供することになった。
シェフは当初、ひやむぎが伸びるのを防ぐため、揚げて皿うどん風にすることも考えたという。しかし、ひやむぎをさっとゆでて冷水で締めると、もちもちとした食感が生まれることに着目。その食感を生かして、そのまま焼きそばに使うことにした。中華麺とは異なる食感が特徴だ。

地域の食と人をつなぐ「E-YAN CROSS PORT」
これらのメニューを提供するおかんの隠れ家は、地域の食材を生かした取り組みを進める複合スペース「E-YAN CROSS PORT」にあり、イベントスペースとしても活用され、商店街の新しい交流拠点として運営されている 。

オーナーの佐村英之さんは、三重の食で人をつなぐ活動にも力を入れており、四日市名産のひやむぎを使った餃子と焼きそばを提供することは、地域の思いを形にする一歩だ。
今後は店舗だけでなく、イベントでも提供していく予定だという。高校生やシェフ、起業家、地場産品の担い手の思いが詰まった餃子と焼きそばが、四日市の新しい味として根付くことが期待される。















