三重県菰野町のパラミタミュージアムで6月4日、第20回パラミタ陶芸大賞展が始まった。「時代を代表する陶芸家」として注目されている6人の作家が、それぞれの個性を発揮した作品計50余点を展示している。7月9日までの来場者の投票で大賞が決まり、同19日に発表式が開かれる。
毎年、全国の美術館、博物館、画廊、美術評論家などの専門家から陶芸家を推薦してもらい、その上位6人を出品者として招いている。展示は7月26日までだが、このうちの7月9日までの入場者が大賞選出の投票ができる。
今回の出品は、阿曽藍人さん(岐阜県)、打田翠さん(岐阜県から香川県に引っ越し)、中井波花さん(茨城県)、林麻依子さん(埼玉県)、安永正臣さん(三重県)、若林和恵さん(神奈川県)の6人。開会のセレモニーで、それぞれが自らの作品に込めた思いなどを紹介した。
阿曽さんは「土は可能性のかたまり」と表現した。今回は、薄く焼き上げた陶板を継ぎ合わせ、あらたな境界を立ち上げたという。打田さんは炭化焼成の技法で、偶然と自分の意思がせめぎあう中で生まれる過去から未来への個々の風景を追い求めたという。


中井さんは「知る」行為の不確かさを陶芸を通して探った。フランス滞在中に床下に住むウサギと出会った経験が起点になっているという。林さんは、物語などに現れる動物の姿を借りて、普遍性について考えてきた。「おもて」にこだわって制作を積み重ね、記憶の奥にある情景を描こうとしたという。


安永さんは自身の制作を「土を使っていません」と話した。釉薬を手びねりする技法で、窯の中で起こる人智を超えた現象に向き合っているという。若林さんは、時を超えてあり続けるものを内包する世界を作り上げたいと考えている。小宇宙に見立てた銀漆彩磁器に古今東西の星座を映し「立体星曼荼羅」に現したという。


同時開催で「パラミタ陶芸大賞展20年のあゆみ」を開催している。過去の各回の代表作品も見られる。
7月19日の大賞発表式は午後2時から。大賞の作家には賞金が贈られる。6月28日午後2時から、「パラミタ陶芸大賞展20年のあゆみに見る現代陶芸の魅力」と題して多摩美術大学の外舘和子教授が記念講演をする。当日は入館券は必要だが、聴講は無料。パラミタミュージアムの入館料は一般1000円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。









