派手なイラストとビビッドな光を放つデコトラ(デコレーショントラック)が櫓を囲む「三重縣多比鹿盆踊り」が、8月22日に三重県菰野町田光の八風スポーツ公園で開かれる。地域住民や県外のデコトラ愛好家が訪れ、菰野町の夏の風物詩として定着している。
草競馬から続く祭り文化

田光地区では戦前から農耕馬を使った草競馬が行われ、地域の祭りや神事として親しまれてきた。戦中戦後の混乱で中断したものの、再開を望む声を受け、1971年に八風青年会がサラブレッドを使って復活させた。
しかし、動物愛護の観点から問題視する声が高まり、約30年前に終了。幕引きを決めたのは、草競馬を復活させた青年会メンバーの孫にあたる諸岡純さん(55)。祖父から「再開させた俺の孫だから、幕引きを任せた」と託され、苦渋の決断だったという。
草競馬の終了後も地域の交流を絶やさないよう、運動会などのイベントを続けてきたが、コロナ禍で活動が止まってしまった。
映画との出会いが生んだ“光の盆踊り”
諸岡さんがデコトラの存在を知ったのは5歳の頃。映画「トラック野郎・望郷一番星」で、登場人物の弔いのためにデコトラが櫓を囲んで盆踊りをする場面を見て強い衝撃を受けた。
現在は運送業を営み、業務用と飾り用の2台のデコトラを所有。次男も同じく運送業でデコトラを使い、県外にも多くの仲間がいる。

2023年、諸岡さんは「幼い日に見たあのシーンを再現したい」と盆踊りを企画。デコトラ仲間や地域住民が集まり、輪になって踊り、交流できたことに感無量だったという。これが新たな夏の催しとして定着しつつある。

4代で受け継ぐ「地域を盛り上げたい」という思い
草競馬は祖父と父が中心となって開催していたが、デコトラ盆踊りは諸岡さんと次男が担う。乗り物は馬からデコトラへと変わったが、「地域を盛り上げたい」という思いは祖父からひ孫まで4代にわたり受け継がれている。
全国から160台以上が集結、5千人規模のイベントに
昨年、YOUよっかいちのウェブニュースで紹介したことをきっかけに、北は福島県、南は大分県からデコトラ愛好家が集まり、160台以上の光が櫓を照らした。マルシェも同時開催され、町内の住民も別の祭りから“はしご”して訪れ、5千人以上が集まる大規模イベントとなった。
規模が大きくなるほど、駐車場整備や警備員の配置など負担も増える。それでも諸岡さんは「映画で見たあの風景を再現したい、人と人をつなげたい」という思いで今年も開催を続ける。

会場では午後4時からマルシェ「気まぐれフェスタ」も開かれ、キッチンカーやデコトラのおもちゃを木で作るワークショップなどが開かれる。安全のため、飲酒運転やペットは禁止で、ゴミは原則として持ち帰る。駐車場は舗装されておらず凹凸があるため、改造車や車高の低い車は入場できない。
マルシェの出店者などの詳細は気まぐれフェスタのインスタグラム(https://www.instagram.com/kimagure_festa/#)で順次公開していく。















