三重県四日市市が進める休日の部活動の地域展開が本格化している。市は今年12月までに、すべての中学校で休日の部活動を地域クラブへ移行する方針だ。
市は2023年度から、「総合型地域スポーツクラブとの連携」と、各競技団体が市内に拠点を設けて活動する「拠点型活動」の二本柱で地域展開を進めてきた。
今年度は中体連の大会や吹奏楽コンクールの終了後、休日の部活動は「認定地域クラブ・みんなのブカツ」に移行する。市教委によると、今後の大会やコンクールは学校単位ではなく、地域クラブとして出場するため、クラブに所属していない生徒は参加できなくなる。
卓球の地域展開の現場では
卓球については、「みんなのブカツ」のクラブが市内で7つ設立される予定で、笹川中学校を拠点に活動予定の「笹川卓球クラブ」もそのひとつ。現在、月1回程度の体験会を実施しており、参加は「みんなのブカツ」体験会情報サイトから申し込む。これまでに約100人が体験し、継続して参加する生徒も多いという。
みんなのブカツは「四日市市地域クラブ活動ガイドライン」に基づき、活動の目的理解や指導体制・運営体制の確保、安全面への対応などにおいて基準を満たすクラブを、市が認定するかたちで実施される。笹川卓球クラブには大学生を含む10人がスタッフとして登録し、指導にあたっている。

この日、四日市市中央体育館(同市日永東)で開かれた体験会には、笹川中の1年生6人、2年生7人が参加。みんなのブカツは四日市市在住の中学生であれば誰でも参加できるため、この日は南中学校、富洲原中学校、港中学校からも参加者が集まり、ともに練習に励んだ。
笹川中学校1年の山路灯花星さんは「学校の先生とは違うアドバイスがもらえた」と話し、他の生徒も「また参加したい」と意欲を見せた。

南中学校3年の赤城和哉さんは「普段のメンバーだけでなく、他校の生徒と交流でき、刺激になる」と話していた。

保護者の負担
保護者からは送迎負担を指摘する声もある。体験会に参加した生徒の保護者は「試合に出てほしいので参加させたが、天候によっては送迎が必要になる。今日も雨で駐車場が満車で大変だった。各中学校を回る乗り合いバスがあれば助かる」と話す。
市教委は「中学生が自転車で通える範囲に地域クラブがあるという状況を目指す。指導者確保や参加希望者の人数などの状況を踏まえ、設立の準備ができたクラブがあれば順次追加したい」としている。
中学生の第3の居場所に
地域展開により、土日の活動が学校から離れることを不安視する声もある。指導者は、学校の教員が兼職兼業の形で携わる場合もあるが、地域の人材のみで運営するクラブもある。
笹川卓球クラブの代表の山路徹さんは「元気がない生徒に気づくこともある。学校と連携しながら見守っている」と話す。

大学生コーチの内野日翔さん(3年)は「中学生にどう声をかけるか考えることが、自分にとっても、社会に出たときに役立つ。中学生にとって、地域クラブが学校や家庭とは違う第3の居場所になれば」と語った。
地域展開には、専門的な指導が受けられること、活動の選択肢が広がることや教員の負担軽減、地域の活性化などの利点がある。一方で、指導人材の確保、適正なクラブ拠点の配置、地域の支援が生かされる仕組みづくりといった課題も残る。市は持続可能な活動の実現に向け、地域と連携した取り組みを進めていく考えだ。









