3日間で短編映画を制作する「第10回菰野ふるさと映画塾」が6月26日、三重県菰野町の湯の山温泉で始まった。15歳から78歳までの10人が参加し、企画から脚本、撮影、編集、上映まで、映画づくりの全工程に挑む。
「挑む!!」をテーマに今年も開校
節目となる今年は、台風の影響で参加キャンセルもあったが、県外からは福岡県、滋賀県、県内では四日市市を中心に津市や桑名市から参加者が集まった。
開校式では森豊塾長が「10回の『十』はプラス。前向きにやっていきたい」とあいさつ。今年のテーマを「挑む!!」と掲げた
瀬木監督が語る映画の魅力
講師を務める四日市市出身の映画監督・瀬木直貴さんは、自身の40年に及ぶ映画人生を振り返り、「企画は楽しい。撮影準備は過酷で、撮影は忍耐、編集では後悔し、公開は恐怖。それでも映画には、それを超える魅力がある」と語り、「皆さんはその過程を3日間で体験します。映画の魅力にどっぷり浸かってください」と呼びかけた。
AIの急速な発展にも触れ、「映像業界は大きく揺れ、制作会社の倒産も珍しくない」と現状を紹介。一方で、「映画の本質は変わらない」とし、小津安二郎作品を例に映画づくりの基本を説いた。
同映画塾では、これまで脚本を担当した人が主演を担うことが多かったが、今年は「脚本を書いた人は主演を務めない」というルールを導入。瀬木監督は、「人が書いた言葉を、自分の言葉として話す『演技』に挑戦してほしい」と説明した。

アイデアをぶつけ合う企画会議
講義後は、塾生それぞれが「挑む!!」をテーマに考えた企画を、ファンタジー・スポーツ・ヒューマンドラマ・町おこしの4ジャンルに分類、班に分かれて企画会議を行った。
町おこし班の3人は、瀬木監督の「町おこし映画はその町の人は見たい。でも多くの人に見てもらうには、人間の普遍的な部分を描く必要がある」という助言を受け、主人公の人物設定や背景を細かく練り直していた。
スポーツ班の2人は、「挫折から立ち上がる」という核を残しつつ、塾生の人数や年齢、天候を考慮して舞台を料理の世界へ変更。ファンタジー班の3人は、それぞれの異なる世界観をすり合わせ、ヒューマンドラマ班2人はロケ地資料を見比べ、「この場所ならどう撮るか」と具体的な場面を思い描いていた。

映画づくりはいよいよ本番
午後はシナリオに特化したチームを立ち上げ、午前中に4グループから出された企画を基に1本のシナリオを完成させる。同時に、他の塾生は撮影講習で機材の使い方を学び、シナリオチームと連携しながら実際の撮影場所を探すロケハンに出かけた。
27日は町内各地で撮影を行い、最終日の28日には編集やアフレコ、音楽を挿入し、完成作品の上映会が予定されている。10人の塾生による挑戦は始まったばかり。3日間の制作を経て、どのような作品が完成するのか注目される。










